ついに第四弾となってしまったカシミヤ購入記。
第一~第三弾は以下より。
正直、オーラリー/ヘリルの2着を買っている時点で今シーズンはこれ以上カシミヤニットを購入する予定は全くありませんでした。
事実、先日もBODHI(ボーディ)のニットにかなり惹かれたものの、しっかりと我慢しスルーしていました。
にもかかわらず、このアイテムは買ってしまったわけです。
その理由は、他のカシミヤには無いこのアイテムだけの魅力があったからに他なりません。
ブランドは、、、
ブランドはYonetomi(ヨネトミ)。
ファッションに精通している人であればおそらく知っているであろう山形のニットメーカ、米富繊維によるブランドです。
同社のブランドではCOOHEM(コーヘン)も有名で、ニットには定評があります。
さて、そんなニットに強い米富からリリースされたカシミヤニット。
正直、良くも悪くもこれがカシミヤ?と思ってしまうほど、衝撃のアイテムでした。
RIGID CASHMERE KNIT
アイテム名称はリジッドカシミヤニット。
"ニットというカテゴリにおいて、"リジッド"なんて言葉は聞き馴染みがありません。
ブランドからは、以下のような説明があります。
目指したのは、日常で気兼ねなく着れて、着込むほどに身体に馴染んでくる、デニムのようなカシミヤセーター。 カシミヤ糸を贅沢に使用し、時間をかけて緻密に編み込むことで、カシミヤセーターのイメージを覆す、硬く丈夫な風合いを実現しています。デイリーに着用いただけるよう、ご家庭で手洗いも可能。シルエットは、ハリのある生地を活かして、ヴィンテージスウェットのようなデザインに落とし込んでいます。
〈加工のこだわり〉経年変化を楽しんでもらうため、ニット製品には欠かせない‛洗い’や‛染め’の製品加工を一切施さず、リジッドの(硬い)状態で製品化。ワークウエアを思わせる紡績油特有の匂いも魅力の一つです。 硬さが残った状態から、着込むごとにカシミヤらしい柔らかな風合いに育っていきます。(Yonetomi)
リジッドデニム"で良く聞くように、このカシミヤは固い状態から育てていきます。
そもそもカシミヤで固いという言葉がピンときませんよね、、、
上記レビュー記事でも書いてきたように、"カシミヤ=ふわふわして柔らかいもの"という認識が一般的でしょうが、これは真逆。
固くてゴワゴワしています。
そこらのウールより硬く、どちらかというとコットンニット、コットンスウェットに近いとすら思えてきます。
レビュー
レビューとは言え、デザインはかなりミニマルで、シンプルなクルーネックニットなので、正直外観に関しては特段レビューすることはありません。
なのでサラッといきます。
写真の通り、遠くから見たらドシンプルなニットと言った印象でしょうか。
もう少し近づいてみます。
まず首回り。
やはりシンプル。
そしてやはりカシミヤには見えないのではないでしょうか。
しかも首元もヨレ感からしても、やはりコットンのようにしか見えないです。
次に袖/裾。
こちらも"ザ・普通"。
リブのテンションも特段言うことは無く、強すぎず弱すぎずです。
せっかくなので裏を見てみましょう。
やっぱりどう見てもカシミヤではないこのザラツキ。
でも表記はもちろんカシミヤ100。
通常のカシミヤと比較
冒頭の生地で挙げた、ヘリルのカシミヤカーディガンと比較してみましょう。
中々写真で伝わりくいですが、同じカシミヤ100の素材とは思えないほど、双方に違いがあります。
言うまでもないですが、上がヨネトミ、下がヘリルです。
ヨネトミが強撚糸を使っていることが一目でわかりますね。
これが洋服のジャンルにおいて、"同じカシミヤニット"とされていることに、洋服作りの面白さ/奥深さを感じます。
価格
定価は49,500円(税込)です。
カシミヤと考えればまぁ安い方かなと。
ニット作りにおける工程(洗い/染め)を経ていないので、ある意味その工数分安くなっているのかもしれませんが、いずれにしても値段だけで見れば悪くないかと思います。
サイズ感
当アイテムはユニセックスでサイズが0~4の5サイズ展開です。
171cm痩せ型で3を選んでいますが、サイズ感としては気持ち大き目と言った印象。
ただ、このゆったり感も好きである一方、どうしてもこの生地感は"洗ったら縮みそう"としか思えなかったので、このサイズを選んでいます。
ガンガン洗濯するつもりなので、今後どうなるか楽しみです。
気になる点
せっかくなので気になる点も。
とはいえ、気になる点という意味では特に無いのですが、一方で万人に勧めるかというと決してそうではないアイテムともいえます。
無難にカシミヤを楽しみたいのであれば、当然オーラリーやヘリル、その他ブランドの"ザ・カシミヤ"みたいなフワフワしたものを買った方が良いと思います。
私のように、すでにそういったアイテムを持っていて、何かこういった変化球的なアイテム、そして経年変化を楽しめるアイテムに惹かれる方には良いかと思います。
また、このアイテムは"油のにおい"がします。
前述の通り、ニットアイテムには必須とされる洗いをしていないので、紡績油の匂いがそのまま残っています。
言うなれば方向性は違えどバブアーみたいな感じ。(※当たり前ですがバブアーほど強くないです。しっかり近づかないと匂いません)
これは好みが分かれるかと思いますが、私は非常に好きです。
ワークウェアを嗅いでいるような、そんな感じ。
とはいえこの匂いが苦手という人もいるでしょうから、気になる点として挙げておきます。
総評
Yonetomi RIGID CASHMERE KNITについてレビューしました。
"カシミヤ=フワフワで柔らかいモノ"といった概念を180°覆す、このリジッドカシミヤ。
普通はそんなことやらない、しかしながらニットメーカだからこそできる、そんな洋服の奥深さが詰まった一着だと思います。
当たり前ですが、一着目のカシミヤにこのアイテムを選ぶのはお勧めしません。
せっかくのカシミヤなのにゴワゴワしているし、何やら匂いもするし。
しかしながらそのような所に魅力を感じる、私のような稀有な人もいるのも事実。
まずは王道ドメスティックブランドあたりのカシミヤを一通り着て、なんとなく変化球的なアイテムが欲しくなったなと思ったら、こういったアイテムを手にしてみてはいかがでしょうか。