ヴィンテージTシャツ関連の記事第三弾です。
これまでの記事は以下の通りです。
さて、今回フォーカスするのはヴィンテージTシャツに使われているボディ(タグ)についてです。
実は、ヴィンテージTシャツの価値・魅力は、プリントやデザインはもちろんのこと、使用されている「ボディ(Tシャツ本体)」にも大きく依存します。
古着好きの間で語られる「ボディ」という言葉は、Tシャツのプリントやグラフィックを引き立てるキャンバスのような存在。
一見すると地味な部分ですが、その価値や雰囲気はブランドや年代、縫製仕様によって大きく異なり、着用感やファッション性に直結します。
本記事では、ヴィンテージTシャツに使用されるタグやボディについて、詳しくご紹介したいと思います。
ボディ(タグ)の種類
前述の通り、ヴィンテージTの価値・魅力を左右するのは「タグ」であり、更に真偽判定にも大きく関わってきます。
この真偽判定については次回の記事で深堀りしていきます。
さて、タグについて話を戻すと、以下のブランドがよく見られます。
※無論、これ以外にもまだまだあります。
- Hanes(ヘインズ)
⇒綿100が定番だが、柔らかい綿ポリ混紡個体も多数存在。 - Brockum(ブロッカム)
⇒80s後半〜90sのツアー/バンドTの大定番。100%コットン個体が主流。 - Giant(ジャイアント)
⇒90sの「Giant by Anvil」「Giant by Tultex」タグともに100%コットン個体が大半。 - M&O(エムアンドオー)
⇒ヴィンテージ年代に該当する流通はそこまで多くないが、確認できる個体はMade in Mexico・100%コットン表記が一般的。 - Fruit of the Loom(フルーツオブザルーム)
⇒綿100、綿ポリともに多数存在。 - Delta(デルタ)
⇒90sは100%コットン個体が多数。 - Oneita(オニータ)
⇒80s〜90sのタグ実例で100%コットン個体が中心。やや厚手。 - Gildan(ギルダン)
⇒90sは100%コットン個体が多数。 - Anvil(アンビル)
⇒100%コットン個体が多く、80s〜90sのバンド/ツアー物が多い。 - Tultex(タルテックス)
⇒綿100が定番だが、80sでは綿ポリ混紡個体も存在。 - Screen Stars(スクリーンスターズ)
⇒80s〜90sの主流は綿ポリで、薄手・ソフトな質感が特徴。 - Alstyle(オールスタイル)
⇒綿ポリ混紡個体も多い。 - All Sport(オールスポーツ)
⇒90sはほぼ綿100が流通。
このように、とにかくたくさんのボディメーカが存在します。
メーカによってサイズ感や生地感、ネックの強さ、プリントの発色等々異なってくるので、同じプリントT・同じサイズ表記でもまるで違う個体に見える場合も少なくありません。
そしてこれらの中で、特に評価が高いとされているのがBrockumとGiantです。


これらタグは、「90年代バンドTの代名詞」とも称され、バンドTにおいてはこのタグであるかどうかで価格が変わる場合が多いです。
BrockumとGiantは中厚~厚手のボディで、同じような生地感ではOneitaも評価が高いとされています。
一方で、これらと生地感が異なる薄手のScreen Starsも人気があります。
薄手ならではの風合い、フェード感が美しいとされ、人気のボディの一つです。
ただし、これらはあくまで「同じプリントであった場合のボディメーカとしての評価」
であり、当然ながら最も重視されるのはプリント・デザインです。
生地の厚さやサイズ感、着心地など、自分の好みに合ったボディを選ぶことで、より満足度の高いヴィンテージTシャツを手に入れることができます。
アメリカ製とユーロボディ
一般的な古着然り、このヴィンテージTシャツ然り、基本的にはアメリカ製のボディが大半かつ人気です。
しかし一方で、ヨーロッパ製のものも「ユーロボディ」と言われ、一定の人気を誇っています。
前述したボディメーカの大多数がアメリカ製であり、尚且つ「ユーロボディ」という明確なブランド名や統一規格があるわけではありません。
「ユーロボディ(Euro body)」とは、ヴィンテージTシャツの世界でヨーロッパ企画(または生産)のTシャツボディを指す俗称です。
アメリカ製のボディ(=アメリカのブランドやファクトリーで生産されたTシャツ)と比較して、シルエットや生地感、タグの仕様などに違いがあり、それぞれにファンが存在します。
一般的に、以下のような特徴を持つTシャツが総称として「ユーロボディ」と呼ばれることが多いです。
- Made in USA表記が無い「ユーロタグ」が付く
- 首リブが細い or 柔らかめ
- 生地が薄め〜柔らかく、ドライタッチなものが多い
- ダブルステッチの場合が多い
- 発色がやや落ち着いている
つまり、肉厚でタフなアメリカ製に比べ、柔らかいボディであるのが最大の特徴です。
シルエットに関しても、ボクシーなのがアメリカ製、身幅がやや細く着丈がやや長いのがユーロボディに多いとされています。
ステッチに関しては、1994年前後から裾がシングルステッチからダブルステッチへ、1996年前後から更に袖もシングルからダブルへ変更となりました。
とはいえ厳密に全ての製品がこの時点から切り替わったわけではなく、年代のズレは当然存在します。
しかしながら、アメリカ製に比べユーロボディの方がダブルステッチに変わった時期が早いと言われており、結果としてユーロボディ=ダブルステッチ多めと認識している方が多いです。
色味に関しては、アメリカ製のボディでは例えば赤や青と言った原色の発色が良く、一方でユーロボディは退色が強めの傾向です。
例えば、同じデザインで赤色が使われていた場合、アメリカ製でははっきりとした赤、ユーロボディではややオレンジっぽさも感じる赤となっています。
※もちろん一例であり、全てがこの限りではありません。
ちなみにユーロボディは以下のようなタグを指します。


総じて、「ユーロボディ」は、ヴィンテージTシャツの中でもマニアックなジャンルで、アメリカ製ほどの王道感はないものの、独自のシルエットや色味が魅力です。
アメリカ製との違いを知ることで、買い物や鑑定時の目利きにもつながりますし、「意外と自分はアメリカ製よりユーロボディが好みかも」といった発見があるかもしれません。
まとめ
ヴィンテージTシャツは、プリントやデザインだけでなく、ボディやタグの特徴を理解することでさらに深い魅力を味わえるアイテムです。
BrockumやGiantといった定番の厚手ボディは、90年代バンドTを象徴する存在であり、Screen Starsのような薄手ボディは独特のフェード感でコレクターを魅了します。
また、タフでボクシーなシルエットのアメリカ製と、柔らかで繊細な色味や縫製が特徴的なユーロボディの違いも見逃せません。
こういった知識を身に付けておくと、古着屋でタグや生地感に注目した際に、今までは見つけられなかった発見に繋がるかも知れません。



