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服好きの独り言

ドメブラ最前線|今後注目すべき、2020年以降に生まれた注目ブランド5選。

昨今、日本のファッションシーンはかつてない多様性と成熟を見せています。

大量生産やマーケティング主導の潮流と距離を置き、「自分たちが本当に作りたい服」に向き合うドメスティックブランドが静かに存在感を高めています。

以前、現在人気のドメブラについて、以下の通りまとめました。

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上記のようなブランドはSNS上の視覚効果だけに依存せず、素材選定や縫製、パターンメイキングといった基礎技術を重視。

結果として、一過性に終わらないワードローブを提供し、着る人のスタイルや価値観を長期的に支える服づくりを行っています。

本記事では、前述した記事に載っているような大人気ブランドではなく、個人的に今後注目すべき日本発の5ブランドを厳選しました。

いずれも2020年以降に立ち上げられた若手ブランドで、現在はまだそれほど知名度は高くないものの、ファッション好きの間では注目されているブランドたちです。

それらについて、設立背景やプロダクトの特徴等、要点を整理していきたいと思います。

KOOKY ZOO(クーキーズー)|ヴィンテージを再構築するユーモアのある前衛派

KOOKY ZOO 公式ルック 着用イメージ

KOOKY ZOO 23S/S (kooky zoo)

設立年:2021年
デザイナー:鈴木裕輔

コンセプトは“GARMENT FOR ECCENTRIC(風変わりな人のための服)”。

アメリカンヴィンテージの年代・用途・縫製仕様などを踏まえつつ、襟・ポケット・タブ・ステッチ等の要素を意図的にスケールアウトさせる設計で再構築します。

造形的な違和感をデザインの核とし、量産品では出しづらい表情を狙うのが特徴です。

このブランドについては、以前購入品をご紹介しました。

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私が古着好きなこともあり、非常に刺さったアイテムでした。

過去には、ファッションキュレーターであるPoggy氏とのコラボレーション「POGGY THE KID」もリリースされており、これは1950年代のキッズヴィンテージを大人向けサイズに読み替え、再構築したコレクションでした。

素材・縫製のレベルは維持しながら、現代の着こなしに合わせたシルエットバランスへ調整することで、結果として、アーカイブ的背景と日常性が両立するコレクション構成に。

スタイリング面では、オーセンティックなデニムやチノ、あるいはテーラードと組み合わせても埋もれない独自性が持ち味。

デニムの加工もわざとらしくなく見事で、デニムジャケット・デニムパンツは即完売することが多いようです。

FOUNDOUR(ファウンダ)|ヴィンテージを“文脈ごと再構築”する新鋭

FOUNDOUR 公式ルック 着用イメージ

FOUNDOUR 25A/W (FOUNDOUR)

設立年:2025年
デザイナー:金子恵治

ブランド名は「FOUND OUR=私たちが見つけたもの」。

セレクトショップバイヤー、レショップのコンセプターを務めていたことでも有名な金子氏が立ち上げたブランドです。

古着・ヴィンテージに焦点を当ててはいるものの、アーカイブの復刻に留まらず、当時の機能性・用途・着用環境まで掘り下げ、現在の生活環境に適合するよう素材・パターン・着丈・ポケット配置などを再設計します。

過度な装飾に頼らず、日常着としての完成度を優先。

撥水・通気・耐久性といった機能要件に即して生地を選択し、動きやすさと見た目の端正さを両立するバランスで設計されます。

また、スウェット類に関しては扱いくい綿100ではなく化繊を使用したり、同じくデニムにもストレッチを採用したり、古着としての魅力やオリジナリティに固着することなく、あくまで現代的な用途に沿ったアプローチとなっています。

スタイリングでは、既存ワードローブとの結合度が高く、“つなぎ”として機能する点が実用的です。

LOOKの思想は、強い造形の誇示よりも生活スケールのリアリティを優先。

装いが日常で成立するかという観点から、アイテム単体よりも組み合わせでの有効性を確認できる構成になっています。

Tamme(タム)|構造美とDIY精神で仕立てる現代的ワークウェア

Tamme 26SS公式ルック 着用イメージ

Tamme 26S/S (Tamme)

設立年:2021年
デザイナー:玉田達也

新人ファッションデザイナーとも呼ばれる装苑賞を受賞した玉田氏によるブランド。

彼はsacaiのメンズパタンナーを務めた経験もあり、本ブランドデビュー時は大きな話題となりました。

ブランド名の由来は、自身のtamadaとhomme、femmeのミックスというユニークな発想。

サカイでメンズのパタンナー経験を積んだ背景を活かし、ミリタリーやフォーマルの記号を抽象化・再構成して日常着に落とし込むのが特色。

アイテム全般的に、〇〇系というカテゴリというよりはミックス感のテイストがあり、それがこのブランドの特徴の一つとなっています。

また、ベルトやジップ、タイなどで分量や角度を操作できる“可変シルエット”や、膝裏ストラップでフレアを生むパンツ、シアー素材に置き換えたスナイパースモックなど、機能由来の意匠を現代化するアプローチが核です。

アイテムは単体で主張する一方、ベーシックなボトム/トップスと合わせたときにも輪郭が崩れません。

2025年には楽天ファッションウィーク東京でAW25を発表し、TOKYO FASHION AWARD 2025を受賞しました。

デザイナー自身の経歴、そしてブランド実績もある、非常に注目度の高いブランドです。

Vowels(バウルズ)|東京×NYの感性が融合した新時代のラグジュアリー

vowels 24AW 公式ルック

VOWELS 24A/W (VOWELS)

設立年:2024年
デザイナー:八木佑樹

東京のストリート感覚とNYの編集美学を融合した、NY拠点×日本生産のユニセックスレーベルです。

NY・Boweryの旗艦店に「Vowels Research Library」を併設し、資料・アーカイブの閲覧や学習をブランド体験に組み込むのが特徴です。

ローンチ直後からパリ・メンズでプレゼンテーションを重ね、設立1か月で初のパリ参加、その後9か月で2度目の参加と報じられました。

デザイナーの八木氏はNYで古着バイヤーやブランド歴を重ねてきた背景を持ち、日本の守破離をものづくりの指針に掲げています。

プロダクトは東京発のクラフト×NYのストリート感を核に、セルビッジデニム、レトロなシャツ、ニット、着やすいテーラリングなど“長く着られるエッセンシャル”へ焦点を当てています。

全アイテム日本製/東京で設計という体制や、性差を限定しないユニセックス提案、上質素材への投資と日常着としての可用性の両立が各メディアで強調されています。

ブランドとしては“新しさのための新しさ”ではなく、基礎を極めたうえで更新する姿勢を明言しています。

厳密なドメスティックブランドというわけではありませんが、製品が日本製であること、日本人デザイナーであること、日本向けに製品を販売していることを踏まえ、本カテゴリに入れました。

Ernie Palo(アーニー パロ)|静かな佇まいで魅せる普遍のスタイル

21AW アーニーパロ

Ernie Palo 21A/W (Ernie Palo)

設立年:2020年(2021SSより本格始動)

デザイナー:山口亮

2011年に設立したAllege.(アレッジ)デザイナーの山口氏による新たなユニセックスレーベル。

普遍性の中に自分たちのアイデンティティを見出し、“今”のエッセンスを次世代へ受け継がれるアーカイブにしていく志向を明確にしています。

デザインはシンプル/ベーシックを軸に素材とシルエットへのこだわりで差異化する方針で、山口氏は「ベーシックの魅力は着る人の幅を広げること。こだわる点は素材とシルエット」と語ります。

ユニセックス展開でも、メンズのムードを残しながら女性が着た時に“借りもの”に見えないバランスを重視し、サイズ展開の単純な拡張ではなく“フォルム”と“抜き”で整えるという考え方が示されています。

プロダクト面では、デビュー期以降リネン/コットン混のニット、デニムのブルゾンやパンツ、レースシャツなどのベーシックなアイテムをニュートラルな色調で提案するアイテムが多く、派手さではなく、素材の面構えと仕立ての端正さで見せる印象です。

過去には、REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクションオブファウンド)定番のジャーマントレーナーに、Ernie Paloのキーカラーであるセメントグレーを採用した別注モデルをリリースしており、その新鮮さが話題を呼びました。

総じて、“普遍=アーカイブになり得る日常着”という明確な設計思想のもと、素材・シルエット・色調の節度で品位を作り、衣服と生活の距離を近づける世界観を持つブランドだと言えます。

まとめ

今回ご紹介したブランドは、派手な話題性よりも“長く着られる新しさ”を基礎技術で更新している点で共通しています。

いずれもヴィンテージやミリタリー、テーラリングといった記号を文脈ごと捉え直し、現代生活に合う素材選定・パターン設計・可変シルエットで再構築します。

結果として、強い一点投入からトーン・オン・トーンまで幅広く機能し、既存ワードローブとの結合度が高いのが強みです。

大手のトレンド消費から一歩引き、生活に根差したリアリティと品位で価値を積み上げる、その潮流こそが、今回の5ブランドに通底する本質だと考えます。

これらのブランドがどのような成長を遂げるか、あるいはまた別の潮流が生まれるのか、今後の動向が楽しみです。

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