“オシャレは足元から”なんてもはや言葉にするのが恥ずかしいくらいではありますが、まぁ的を射た言葉ではあります。
メンズファッションにおいて革靴のブランドでいえば数多あり、定番人気なのはオールデンやJMウエストンあたりでしょうか。
無論私もそのあたりのブランドを気にしてはいたのですが、上記ブランドは個人的にローファーやVチップなどいわゆる革靴(短靴)であり、ブーツとなるとまた別かなといった印象でした。
ということで色々探し、たどり着いたのがGUIDI。
GUIDI(グイディ)
まずはGUIDI(グイディ)について簡単にご紹介。
グイディは1896年創業の、イタリア発のレザーブランドです。
その靴の評価に関しては以下記事が参考になり、その内容については私も完全に同意です。
グイディのシューズの最大の特徴は、職人でなければ作り得ることのできない抜群の履き心地です。グイディのシューズは履きやすく、ストレスを感じさせないことで有名で、その軽やかな履き心地は所有者のみが体感できる特権とまで言われるほどです。 グイディの代表作であるホースバックジップブーツは1枚のレザーで作られており、ロゴが入った金具はアンティーク調のデザインで、細部に渡りこだわりが感じられるブーツとして人気です。 グイディのシューズは長年履き続けて行くと、その所有者の歩き方や履き方のクセによりシワのでき方が違ってくるため、その味わい深さが魅力として有名です。(https://www.gsc-rinkan.com/column/guidi/guidi-history/)
GUIDIを選んだ理由
なぜGUIDIを選んだか?についてですが、大きくは以下5点です。
1個ずつ簡単に説明していきます。
①全体は極シンプル。ただしフロントジップのアクセントが◎
これはまぁ見た目通りですね。
私が選んだのはPL1と呼ばれるモデルで、フロントにジップがあるデザインです。
バックジップのタイプもありますが、私としてはフロントジップ一択。
理由は単純で、前から見た時のアクセントとしてフロントジップが役に立つからです。
したがって、バックスタイルを重視するのであればバックジップがお勧めとも言えます。
さてこのPL1、全体を見渡してみれば大した加飾もないシンプルなレザーブーツですが、パンツがブーツに被った時のジップの見え方が非常に良いんですよね。
ジップが無ければサイドゴアブーツにすら見えてしまいますが、このちらっと見えるジップが足元に良いアクセントになっています。
これを履いた日はちらちら自分の足元を見てしまいますね、、、
②ナロー過ぎずワイド過ぎないシルエット
ワークブーツほどワイドかつ無骨ではなく、ドレスを感じるほどナローでもない。
本当にちょうどよいシルエットなんですね。
スラックスでもデニムでもチノでも、そしてそれらのシルエットがワイドでも細見でも何にでも合う。
極端なシルエットでは流行り廃りや飽きがあるかもしれませんが、こういった普遍的なものであればそういった心配も無し。
この先もずっと付き合っていきたくなるような魅力があります。
③パンツと干渉しにくい
これは履き口が細いジップブーツの良さと言えるでしょう。
ワイドパンツであればどんなブーツでも良いのですが、やや細身のパンツをはいた際に、ブーツの履き口が広いとパンツに当たり、パンツのシルエットが崩れてしまう場合があります。
これは私個人として嫌いなので、こういったジップブーツのような履き口が細いものが最適でした。
結局①-③はブーツ単体及びパンツとの合わせが非常に楽という観点でした。
④フィット感抜群にもかかわらず着脱も容易
レースアップブーツは着脱が面倒くさすぎてNG、エンジニアブーツ等は履き口は広いものの、前述のパンツとの干渉問題からNG。
サイドゴアはそういった意味では及第点かもしれません。
しかしながらジップブーツはやはりフィット感抜群です。
サイドゴアもしっかりサイズを合わせればフィット感は良いのですが、個人的にこの足首がピタッと固定されている感じが好きですね。
このフィット感のお陰で、靴自体の重量はありますが意外と疲れにくいです。
nonnative(ノンネイティブ)デザイナー藤井氏が海外出張の際はスニーカーではなくGUIDIを持っていくとのこと。
なんだろう......。やっぱりフィッティングと履き心地......なんでしょうね。このシェイプが本当にすごいなと思います。すごく色気があるし。〈CHURCH〉に〈TRICKER’S〉、〈J.M. WESTON〉ぐらいは俺も持ってますけど、正直あんまり履かないんです。〈GUIDI〉は人とカブりにくいっていうのも良いんでしょうね。
そしてフィット感が良いのに、ジップだから着脱が楽だというのもまた素晴らしい点。
着脱時に楽というのは精神衛生上非常に良くて、”あーあれ履きたいけどもし脱ぐときあったら面倒だな”といった靴選びの際のあるあるに悩まされることがありません。
⑤履きシワが気にならない
ブーツに限らず革靴を履いていて一番気にすることろがシワ。
靴によっては、どのように皺を入れるかが非常に重要だと捉えられており、最初に左右均等に力を入れて曲げ、シワ入れの儀をする人もいるほど。
この皴が綺麗に入るかどうか問題は、革が固い靴程難儀するのですが、PL1の場合は非常に柔らかいレザーなので、変に細かい皺は入りません。
むしろアッパー部の皺は所有者によって千差万別なので、そういった経年変化という楽しみもあります。
悪い言い方をしてしまうと、日々のケアが面倒だとか、シワとか気にしたくないとか、ある意味ズボラの人に適した一足とも言えるかもしれません。
実物写真
ここからは写真で紹介。
ちなみに着用年数は4年ほどですが、休日のみ着用なので、着用回数は100回にも満たない程度かと思います。
いやーやっぱりシンプルながら美しいシルエットだと思います。
皴も程よくて良い感じです。
こう見ると意外とトゥが上がっています。
大事なポイントであるジップ。
良き良き。
ヒールは結構高め。
写真だけで見ると幅は狭いしトゥは上がっているしで、結構ドレッシーにも見えますね。
しかし履くとそうでもない。
たしかに小綺麗ではあるものの、しっかりカジュアルに落とし込める優秀なブーツです。
サイズ感
個人的な見解なので、あくまで参考程度にはなってしまいますが、普段のスニーカーの0.5~1cmダウンがちょうど良さそうです。
大きい分にはインソールで調整できるとは言え、試着はできるだけすべきかと思います。
ちなみに私はというと、普段のスニーカーが26~26.5cm程度、スリッポンやローファーなど脱げやすいモノはそこから0.5~1cm下げて履いています。
GUIDIのサイズは40(25cm相当)を選んでいますが、ピッタリでした。
GUIDIの着用参考
冒頭で挙げたオールデンやJMウエスタンほど、このGUIDIを着用している方は多くないです。
知名度であったり、デザイン、値段であったりその理由は様々ありますが、着用者が少ない=参考にできるような人が少ないということになります。
その中で、私がおススメしたい人がいて、それがBEAMSバイヤーの関根陽介さんです。
この方のセンスは一朝一夕でマネできるものではありませんが、非常に勉強になります。
もちろんGUIDI以外のアイテムを使った着こなしも抜群に良いです。
20万円超えの価値はあるか?
このPL1は2024年現在、定価23万円(多分)。
価格というのは人それぞれ感じ方は違うかと思いますが、私としては”レザーブーツとはいえ非常に高い”というのが正直なところ。
10万円超えの革靴が2足買えてしまいますからね、、、
で、20万円超えの価値はあるかというと、、、
“分からない”というのが率直な答えです。
というのは、私個人、これを購入して大大大満足していますし、今のところ後悔もなく、手放す予定も一切ありません。
“一生もの”という言葉を簡単に使うのは嫌いですが、今のところそれに値するかも、とすら思っています。
しかしだからといって”20万円超えでもオトク!コスパ最強!“とは決して思えません。
私はたまたまPL1が気になり、買ってみたら見事にハマっただけであり、人に勧めるかといったら何とも言えないです。
冒頭で述べたように、革靴のブランドは数多ありますし、値段もこれより安いものもたくさんあるでしょうから。
ただししつこいようですが後悔なんて全くなく、もし今後機会があれば色違いを購入したいとすら思っています。
話が行ったり来たりしてしまっているのでまとめると以下のようになるかと思います。
“20万円という価格だけを見れば非常に高いし、もっと安価で良いモノはありそう。ただし自分自身としては満足度は極めて高く後悔の念が全くないことから、そういう意味では価格相応の価値と思っていいのかもしれない。”
是非一度お試しを。