シャツはメンズファッションにおいて定番中の定番ですが、その一方で、選ぶ一着によって印象が大きく変わるアイテムでもあります。
Tシャツよりもきちんとして見え、ジャケットほど堅くならない。
その中間にあるからこそ、シルエットや生地、仕立ての差がそのまま着こなしの完成度に表れます。
だからこそ、「長く着たい」と思えるシャツに出会えるかどうかは、ワードローブ全体の満足度にも直結します。
そんな中で、今回取り上げるCOMME des GARÇONS SHIRT FOREVERラインは、まさに“定番として持つ価値があるシャツ”だといえます。
本アイテムは長年リリースされており、いわゆる一時的な流行品ではなく、継続して選ばれているラインとして位置づけられています。
今回レビューするのは、そのFOREVERシリーズの中でも人気と言われているWide Classic(ワイドクラシック、CDGS1)です。
私自身、シャツは好きなので色々と買ってきました。
COMME des GARÇONS SHIRT FOREVERとは何か
まずはCOMME des GARÇONS SHIRT FOREVER(コムデギャルソンシャツ フォーエバー)についてです。
FOREVERは、COMME des GARÇONS SHIRTの中でも継続的に展開されている定番群として捉えると分かりやすいです。
定番といわれるだけあって、FOREVERシャツの特徴は至ってシンプルです。
第一に、無地やストライプといった普遍的な柄が軸になっていること。
第二に、フランス製・コットン100%というベースの良さがきちんとあること。
第三に、単なるベーシックではなく、ギャルソンらしいパターンの妙や空気感が加わっていることです。
つまり、「普通のただの無地シャツに見えて、実は普通ではない、しっかりと芯・こだわりがある」ところが、このシリーズの魅力だと思います。
外観
では早速、購入したCOMME des GARÇONS SHIRT FOREVERの外観を見ていきます。





上記写真の通り、見た目はシンプルなストライプシャツです。
小さめな襟に片側胸ポケット、裾のラウンド、背面のボックスプリーツ。
いずれもシャツとしては奇抜な作りではなく、どこにでもあるような王道の構成です。
にもかかわらず、根強い人気を誇るのは、着た際のシルエットと生地、そして全体の空気感が噛み合っているからだと思います。
着用した感想
個人的に着て強く感じたのは、ワイドクラシックの名の通り、シルエットは大きめではあるのですが、まったくだらしなく見えないということでした。
※この点はサイズ感・シルエットの項で詳しく触れたいと思います。
加えて、何より感じるのが生地の良さ。
生地にはしっかりとしたハリがあり、触り心地も抜群です。
シャツの種類によって、特にドレスシャツは薄手で仕立てられていることが多いのですが、このシャツは薄手といった印象はありません。
そもそも薄手だとインナーにも多少気を遣いますし、ある程度のハリがあると、シルエットに立体感が出やすく、着用時の見え方も整います。
一方で、硬すぎると日常着としては疲れることもあります。
その点、このFOREVERシャツはちょうどいい塩梅です。
形をきれいに保つハリがありながら、肌当たりは心地よく、長時間着ていたくなる感覚があります。
個人的には、この“ずっと着ていたくなるような幸福感”がかなり大きな魅力でした。
シャツは見た目だけで選ぶと、着心地の部分で案外満足度が伸びないことがあります。
しかしFOREVERのワイドクラシックは、見た目の美しさと着心地の良さが両立していると強く思います。
これは個人的に私服用のドレスライクなシャツに求めたい条件を、きちんと満たしている一着だと思います。
後述の価格だけ見れば決して安くはありませんが、長く着る前提で考えると、結果的にコストパフォーマンスはかなり高い一着だと感じました。
長袖シャツは通年着られることを考えれば、多少高くても「つい着てしまうほどの良さ」は大事だと思います。
サイズ感・シルエット
フォーエバーシリーズはワイドクラシックが最もワイドで、その後ナロークラシック、ベリーナロー、ボタンダウンの順に細身になっていきます。
今回、私は170cm痩せ型でサイズMを選びましたが、ゆとりは感じます。
とはいえ実寸で、大体ですが着丈80cm、肩幅50cm、袖丈61cmほどなので、極端なワイドシルエットではないということは上記寸法から分かっていただけるかと思います。
サイズSが適正サイズである気もしますが、やはりドレスライクなシャツはあえて大き目で着るのが好きなので、今回はMを選びました。
とはいえ、気分次第で次回はSを選ぶかもしれません。
このシャツは前述の通り、一般的なシャツと比べしっかりゆとりを持たせた設計ですが、実際に着ると“ただのビッグシャツ”には見えません。
襟、ポケット、裾のカーブ、背面のボックスプリーツといったシャツとしての基本設計が非常に端正で、余白のあるボディとのバランスがよく取れているのです。
ゆったりしているのに輪郭が崩れず、リラックス感と品の良さが同居しています。
オーバーサイズのシャツは一歩間違えると「借り物っぽい」「着られている感じがする」「だらしなく見える」といった問題が出やすいですが、FOREVERのワイドクラシックにはそれがありません。
これは単純なサイズの話ではなく、パターンの完成度が高いからこそ成立している魅力だと思います。
ナロークラシックとの違い
ちなみに、前述の通り、ワイドクラシックの次にナロークラシック(CDGS2)もありますが、こちらはワイドクラシック(CDGS1)より身幅が抑えられた設計です。
ただし、ナローと名は付いていますが別に細身ではなく、ゆとりはあります。
そのため、「ゆとりや抜け感が欲しいけど、ワイドクラシックまでいくとややだらしないかも」という人は、ややゆったり目なナロークラシックがおすすめです。
デザインにもやや違いがあります。
ワイドクラシックはセンタープリーツですが、ナロークラシックはサイドプリーツとなっており、背面を見れば一目で違いが分かります。
フォーエバーラインを好む人はワイドクラシックまたはナロークラシックを選ぶ方が大半だと思いますが、シルエット・デザインの違いはしっかりチェックするようにしましょう。
価格
まず価格ですが、本モデルは58,300円(税込)です。
型番でいうとFZ-B205-051です。
数年前までは3万円台後半~4万円台前半で買えていましたが、値上げにより結構な価格となってしまいました。
とはいえ、3万円台で買えていた時は安過ぎましたね。
無地であっても52,800円(税込)なので、ただのシャツとしての価格帯としては当然「高い」部類に入るといえるでしょう。
とはいえコットン100%で、フランス製で、継続展開される定番ラインであり、しかもシルエットの完成度も高いモノです。
要するに、「買って満足する」だとか「その年だけ着て終わる服」ではないのです。
むしろその定番と言われる普遍的なデザイン故に、何年もワードローブの中心に置ける可能性が高いと思っています。
個人的にも、値段が値段なので即決とまではいきませんでしたが、結局「値段は高いが、長く着られそうでコスパは良い」という考えになり、購入に至りました。
安価なシャツを何枚も買い替えるのもひとつの選択ですが、本当に気に入った上質な一枚を長く着るという考え方もあります。
FOREVERのワイドクラシックは、後者の価値観にしっかり応えてくれるシャツです。
カラー展開
FOREVERラインはカラーやデザインも豊富ですが、基本的にはベーシックな展開が多いです。
カラーでいえばホワイトやネイビー、ブルーが大半ですし、デザインでいっても無地かストライプが定番で、あとはギンガムチェックであったり、クレイジーパターン(パッチワーク)といった切り替えデザインも流通しています。
これが装飾過多のデザインシャツであれば、着こなしの主役としては面白くても、長く付き合う定番にはなりにくいかもしれません。
ですがFOREVERは、あくまで日常着としての使いやすさを残しながら、普通のシャツ以上に見えるところが魅力です。
スラックスと合わせてもその独特なワイドシルエット故にドレスな雰囲気になりすぎませんし、一方でデニムや軍パンのようなラフなボトムスに合わせれば、全体が不思議と品よくまとまります。
合わせるパンツを選ばない、という点もこのシャツの魅力です。
まとめ
COMME des GARÇONS SHIRT FOREVERのワイドクラシックは、「大きいのにだらしなく見えない」という、オーバーサイズシャツに求めたい理想を高いレベルで実現した一着です。
実寸上でもしっかりゆとりのある設計ですが、実際には輪郭が崩れず、むしろ着こなしが洗練されて見えます。
さらに、生地にはハリがあり、触り心地もよく、着ていて気分が上がります。
無地やストライプといった王道だけでなく、ギンガムやパッチワーク系まで視野に入るため、定番性と遊びのバランスも優秀です。
1枚目は無地で、2枚目はチェックでといった選び方も素敵だと思います。
価格だけ見れば決して安くはありません。
しかし、フランス製・コットン100%・継続展開の定番ラインという背景を踏まえると、単なる高級シャツではなく、長く付き合う価値のある一枚として評価しやすいです。
私自身、実際に着てみて「価格は高いけれど、定番として長く支持されていることが納得できるシャツ」と感じました。
FOREVERのワイドクラシックは、シャツ好きの方が一度は袖を通してみる価値のある名作だと思います。



