スニーカートレンドのサイクルは加速し続けており、話題の新作が絶え間なく登場しています。
しかしその中でも、心に残る一足というのは限られています。
どこか懐かしく、それでいて革新的なスニーカーと出会える機会は、そう多くはありません。
2024年、BODE(ボーディ)とNikeが手を組んで復刻・再構築した「Astrograbber(アストログラバー)」は、まさにその稀有な存在ではないでしょうか。
オリジナルモデルは1974年に登場したアメリカンフットボール用トレーニングシューズ。
それが時を経て、現代の感性と技術で見事に生まれ変わりました。
2024年当時大きく話題となった本モデル、カラーを変更し、第二弾として2025年にもリリースされ、私はこの2ndモデルを購入しました。
当モデルはNikeとBODEからリリースされるメッシュ素材の「Black」と、BODE限定でリリースされるレザー素材の「Chlorophyll」がありました。

私はレザー素材のインパクト、そして独特なグリーンのカラーに惹かれ、後者の「Chlorophyll」を購入しました。
本記事では、BODE × Nike Astrograbberのデザイン性、履き心地、スタイリングの可能性、そしてこのコラボレーションが持つ文化的意義についてレビューします。
(余談)BODEについて
まずはBODE(ボーディ)についてですが、アパレルを購入した際に言及しているのでそちらをご参照ください。
デザインレビュー
Astrograbberの第一印象は、「レトロフューチャー」。
過去の美学を踏襲しながらも、未来を見据えた構造と感性で再構築されています。

アッパーにはレザーが用いられており、強い光沢を感じます。
ドシンプルなプレーントゥですが、これがクラシックな印象である一方で、現代ではあまり見られないデザインという意味で「現代にとっての真新しさ」を感じさせます。
ボリューム感としてはコルテッツに近いモノを感じますが、それよりもさらにシンプルなアッパーとトゥのデザインです。

ヒールにはこれまたレザーが使われていますが、こちらはスエード。
ソールの印象も相まって、ワッフルレーサーっぽさを感じますが、ロゴも何もないのが特徴でしょうか。
この写真だけ見ると到底ナイキのスニーカーとは思えませんし、やはりトレーニングシューズといった印象が強いですね。

サイドから見ると本当にシンプルな靴だと感じます。
少々ステッチが入っているものの、大半はスムースレザーに覆われ、一部がスエードに切り替えられている程度。
カラーもグリーンとブラックのみであるため、余計な装飾一切なしの潔いデザインだと感じます。

ここまで見るとただのナイキのスニーカーで、ボーディ感が全くありませんが、実はシュータンには「bode」のロゴが入ります。
そしてシューレースに付くアクセサリー。
これは第一弾からあるもので、カラーによって色々なアクセサリーが付けれらているのですが、今回はこのアストログラバーにちなんだ「アメフトのボールのデザイン」。
シンプルなデザインにこういったアクセントがあると、それがかなり映えるので個人的には好きなポイントです。

このモデルはフットボール用が元デザインということもあり、ソールはそれに倣ってワッフルソールが採用されています。
オリジナルモデルの特徴でもあるソールを再現することで、当時のスポーツシューズとしてのルーツに敬意を払いつつも、それを日常使いのデザインとして昇華させています。
現代でいえば(カジュアル用途では)ワッフルレーサーでよく見かけるソールですね。
強いグリップ力と屈曲性そして耐久性を併せ持つこのソールは、機能面はもちろん視覚的なアクセントとしても非常に有効的なデザインだと感じます。
デザインに関しては全体的に、装飾過多にならずとも個性を打ち出せる設計となっており、現代的なラグジュアリーのあり方を感じさせます。

そして個人的に感銘を受けたのがこのシューズボックスです。
スエード?のような起毛生地で覆われ、さらにはカーキ同色のリボン付き。
前述の通り、このカラーは「Chlorophyll」と呼ばれ、BODE限定で発売されたカラーですが、その名称にちなんだ洒落たシューズボックスとなっています。
コラボモデルらしい特別感があって非常に良いポイントだと感じています。
履き心地とサイズ感
Astrograbberは、その外見のレトロさとは裏腹に、履き心地には最新のテクノロジーが反映されています。
ミッドソールには柔軟性と反発性を兼ね備えたフォーム素材が採用されており、長時間の着用でも足への負担を感じにくい設計となっています。
特筆すべきは、足を包み込むようなフィット感です。
シューレースの配置やタンの厚み、そしてインソールのカーブが絶妙に計算されており、履いた瞬間から心地よさが伝わってきます。
土踏まず部分には適度なアーチサポートが設けられており、歩行時の安定感と推進力を高めてくれます。
ただし、サイズ感についてはやや小さめである印象を受けました。
普段と同じサイズで選ぶと窮屈に感じる可能性があるため、0.5cm~1.0cmほどサイズアップを検討してもよいかもしれません。
スポーツ用途である点、そしてこちらのモデルに関してはレザー素材であることもこのサイズ感に影響していると考えています。
私は普段のサイズよりハーフサイズアップして履いていますが、それでもかなりピッタリといった印象です。
スタイリングの自由度
BODE × NikeのAstrograbberは、そのルックスからは想像できないほどスタイリングの幅が広い一足です。
アメカジ、ワークスタイル、ミリタリー調はもちろん、現代的なミニマルコーデやハイストリート系のファッションにも自然と溶け込みます。
足元にクラフト感とヴィンテージ感を添えることで、全体のコーディネートに深みが加わります。
淡いトーンでまとめて足元に色を挿す以下のルックは素敵でしたね。

もちろん、ブラックに関しては「合わないパンツは無い」といっていいほどシンプルかつ汎用性が高いので、やっぱりブラックも良いですね。

「個性的でありながらも、主張しすぎない」、そのバランス感覚が、このスニーカーの真価でもあります。
BODEとNike、それぞれの哲学の交差点
個人的にこのコラボレーションの興味深い点は、単なるリバイバル企画や限定販売品にとどまらない、ブランド同士の哲学的な交錯にあると考えています。
BODEは、ヴィンテージファブリックを用いたハンドメイド志向のデザインで知られ、「記憶」や「時間の蓄積」を感じさせるモノづくりを行ってきました。
一方、Nikeはスポーツイノベーションの象徴として、常に「未来」を追い求めてきたブランドです。
この異なる価値観を持つ両者が手を取り合ったことで、「過去」と「未来」を同時に体現するスニーカーが誕生したのです。
BODEの創業者であるEmily Adams Bode Aujla氏は、「記憶と身体性の融合」とこのプロジェクトを表現しています。
過去の記憶に基づいたデザインが、現代の身体感覚とテクノロジーによって最適化される。
この融合こそが、Astrograbber最大の魅力であると言えるでしょう。
まとめ
BODE × Nike Astrograbberについてレビューしました。
アメフト用シューズということもあり、シンプルな見た目の一足ですが、細かいところにNikeらしさ・BODEらしさを感じました。
また、今回私が購入した「Chlorophyll」は、アッパーのレザーの光沢感と独特なカラーリングにより、シンプルながらしっかりとその存在感を感じます。
何よりこの一足は、視覚的なインパクトや限定性だけに留まらず、その背景にある思想や文化性まで含めて楽しむべきスニーカーだと思います。
今回はこのコラボが第二弾でしたが、第三弾以降も大いに期待したいと思います。



