スニーカーのトレンドが目まぐるしく移り変わる現代において、アディダスの「SUPERSTAR」は50年以上変わらず愛され続けてきた、数少ない“普遍的なアイコン”です。
1969年のバスケットボールコートから音楽・ストリートカルチャーへ、そして今またファッションシーンの定番へと回帰しているこのモデル。
今回は、定番をさらに“ヴィンテージ仕様”にリモデルした新機軸、「SUPERSTAR VINTAGE(スーパースター・ヴィンテージ)」についてフォーカスします。
本記事では、SUPERSTAR VINTAGEの特徴や実物写真を交えながらのレビュー、本モデルの魅力、履き心地などを解説していきます。
また、後半では同じく人気モデルであるサンバやスタンスミスとの簡単な比較にも触れていこうかと思います。
モデル概要
モデル名と型番は以下の通りです。
- モデル名:SUPERSTAR VINTAGE(スーパースターヴィンテージ)
- 型番:JQ3254
歴史的背景
そもそもSUPERSTARは、前述の通り、1969年にバスケットボール用のロートップシューズとして登場したモデルです。
特徴的な「シェルトウ(貝殻型ラバートゥキャップ)」を備え、全革アッパーの先駆けモデルとしてNBAでも使用されていました。
その後、ヒップホップ文化(特にRun‑D.M.C.)によりストリートの象徴になった一足と言われています。
「ヴィンテージ」仕様としての位置づけ
スーパースター自体は現代でも定番モデルであり、継続的にリリースされています。
人気モデル故、セレクトショップ別注で発売されることもしばしば。
そんななか、今回のJQ3254は、「1969年初期仕様」を意識したヴィンテージ仕様モデルです。
クラシックなディテールが忠実に再現されているのが特徴で、例えば
- シェルトウ形状
- 細めのスリーストライプス
- ヒールタブの凹み
- ロゴ処理
- 無地のシュータン
などがあり、こういったヴィンテージを踏襲しながら、現在の “レザー&フィニッシュ” 仕様を取り入れている点がポイントです。
実物レビュー
では具体的に実物写真を見ながら各部について触れていきます。

このスーパースターの魅力のひとつが、しなやかで艶のあるスムースレザーです。
通常モデルよりも質感が滑らかで、スニーカーとはいえカジュアルすぎず、日常使いするうえで程よい上質感があります。
履き口のライニングにもレザーが使用されており、長期使用でも剥がれにくい構造になっています。

そして「スーパースターといえば」のディテールはやはりこの貝殻を思わせるシェルトゥでしょう。
このつま先JQ3254のシェルトゥも一見通常のスーパースターと変わらないように見えますが、実は1960~1970年代の仕様を踏襲した控えめなボリュームとなっています。
シェルトウの“貝殻型”感も秀逸で、クラシックな雰囲気が強く出ています。

通常モデルよりも細身に仕上げられたスリーストライプスは、よりレトロで落ち着いた印象を与えます。
落ち着いた白×黒のコントラストがほど良いアクセントとなり、クラシック感を際立たせています。
この控えめな存在感が、パンツを選ばない・使い勝手が良い理由の一つでしょう。
スーパースターの象徴でもあるラバーカップソールはヴィンテージ感のある生成色となっており、全体の印象を引き締めます。

上記写真のロゴもいわゆる現行のスーパースターとは異なる仕様です。
現行の多くのスーパースターは、同ブランドの例えばサンバのように、ブランド名だけが入りますが、こちらはブランド+モデル名。
これは当時のオリジナルを模したデザインとなっています。
先ほど挙げたスリーストライプス+ロゴにより、サイドから見た時のデザインは、現行のスーパースターとは全く異なる印象を受けます。


現行のスニーカーとしては非常に珍しく、シュータン及びヒールにブランドロゴ等が一切入らないデザインとなっています。
これは1960-1970年代オリジナルと同じ仕様で、1980年代に入るとシュータンにもヒールにもロゴが入るようになってきます。
それこそアディダスではサンバでもスタンスミスでも特徴的なデザインがシュータンに入るので、無地のデザインだとコーデの邪魔にならず、こういった仕様が好みの方も多いのではないでしょうか。
私もまさにそれに違わず、こういった「良い意味で味気のない」デザインは非常に素敵だと思うタイプです。
総じて、「素材感及び質感」と「ヴィンテージを踏襲したデザイン」、それによって生まれる「ミニマル感」の観点で非常に完成度が高い一足だと思います。
サイズ感・履き心地
サイズ感についてですが、私はいつも通りのサイズで選びましたし、他の方々のレビューを見ても「普段通りのサイズで」と言っている方が多いように思います。
ただし、このモデル自体は通常のスーパースターに比べ細身に作られているので、足幅が広めの方は、ハーフサイズアップを検討しても良いと思います。
履き心地についてですが、現在まだあまり履いていない段階ではありますが、やはりレザーゆえにやや硬さを感じています。
ただ、過去にも新品のスーパースター、スタンスミスを履いてきた経験もあるので、おそらくここから柔らかく馴染んでいくと思っています。
一方で、当然ながらローテクスニーカー故に「履き心地が良い」と感じることは正直に言ってあまりありません。
それこそ以下のようなニューバランスのようなハイテクスニーカーとは当然比べ物にはなりません。
また、同じローテクのジャンルでもオニツカタイガーのメキシコ66SDの方が上に感じます。
しかしながら、私自身このスニーカーに履き心地は求めていませんし、何よりもデザインがとにかく美しく気に入っているので、この点は全くマイナスポイントになっていません。
価格・カラー展開
国内定価は19,800円(税込)です。
インラインモデルはおそらく16,000円前後かと思われるので、それと比べるとやや高めですが、昨今の値上がりを考えるとアンダー2万円は安く感じます。
スニーカーと言えどキャンバス地ほどカジュアルでもないですし、レザーの質感とヴィンテージを踏襲したディテールから、個人的には値段以上の一品だと思います。
カラー展開については、私が購入したホワイト(JQ3254)とブラック(JQ3255)が展開されています。
ブラックも良いですね。
【余談】サンバ・スタンスミス比較すると?
アディダスといえば、2020年代に大流行したサンバが有名であり、また、それより以前に大流行したスタンスミスも根強い人気を誇ります。
SUPERSTAR VINTAGEの魅力をより明確にするために、ここでは軽く比較しておきます。
Samba(サンバ)
- 細身で軽い
- ガムソールが特徴
- 現在のトレンドの中心
今っぽい足元を作りたいのであればサンバがおすすめかと思います。
そもそもローテクの筆頭ともいえるデザインなので、パンツのシルエットを問わない点が魅力的です。
まだまだ人気故、セレクトショップ別注などのモデルがたくさんリリースされているのもポイントでしょうか。
Stan Smith(スタンスミス)
- ミニマルでクリーン
- パーフォレーション(パンチング)で表現された控えめな3本線
- 大流行が落ち着いた今であれば人と被りにくい
シュータンの個性的なデザイン故、意外と好みが分かれるモデルですが、それでもやっぱり人気の一足。
三本線のデザイン相まって実は非常にシンプルな外観なので、(特に白のモデルを選べば)スタイリングが非常にクリーンな印象になりますね。
グリーンやネイビー等の色味を足元に挿すことができるのも魅力です。
SUPERSTAR VINTAGE(スーパースターヴィンテージ)
- 最もクラシックで重厚
- レザーの質感が良く、経年変化を楽しめる
- コーデの“軸”になる存在感
定番モデルとは言え、そこまで知名度は高くないのが正直なところ。
しかしそういった意味では、「流行を超えた存在」であり「人と被らない」点が特徴と言えるかと思います。
また、他モデルと比べると、やはりそのヴィンテージの再現性も高いので、クラシックなデザインながら強い存在感を放つ一足ではないでしょうか。
まとめ
SUPERSTAR VINTAGE(JQ3254)は、「クラシックなアイコンを現代品質で楽しむ」という価値を最も体現したスニーカーだと感じます。
1969年のスーパースターが持っていた魅力を、現代的な素材と丁寧な仕上げでブラッシュアップしたこのモデルは、ただの“懐古系”ではなく、ファッション好きな人々のワードローブにしっかり馴染むアップデート版と言えます。
近年、サンバやスタンスミスの人気が再燃していますが、長く使える“普遍的な定番”として、このスーパースターも忘れてはいけません。
サンバ等に比べるとやや人気・知名度は劣るかもしれませんが、やはりそのクオリティは確かなので、気になる方はぜひ試着や実物確認を通して、その完成度を実感してみてはいかがでしょうか。



