革靴のクラシックな魅力は、今も昔も変わらず根強い人気を誇っています。
同じ服装でも、革靴を履くかスニーカーを履くかで、スタイリング全体の印象は大きく異なります。
どんなにカジュアルな装いでも、革靴を合わせれば、自然と引き締まった雰囲気を演出できるのは言うまでもないでしょう。
ビジネススタイルにおいては、スーツと革靴の組み合わせが長らく定番とされてきました。
そのため、仕事用と私服用で靴をきっちりと使い分ける人も少なくありませんでした。
しかし、ファッションやライフスタイルの多様化が進む現代では、そういった「専用のアイテム」より「実用的かつ柔軟なアイテム」が求められるようになっています。
そんな時代のニーズに応える存在として注目されているのが、「スニーカータイプのローファー」です。
これは、従来のローファー(革靴)が持つ上品さを保ちつつ、スニーカーのような快適な履き心地と高い実用性を兼ね備えた、いわば“進化系ローファー”といえるでしょう。
ここではその人気の背景と魅力について、私見ではありますが魅力を解説していきます。
- 魅力1:「歩きやすさ」と「きちんと感」の両立
- 魅力2:コーディネートの汎用性が高い
- 魅力3:デザインとしての新しさ
- 魅力4:ミニマル志向・ジェンダーレスデザインとの相性◎
- 魅力5:靴の“所有数”を減らせる合理性
- スニーカーローファーを選ぶ際のポイント
- おすすめスニーカーローファー
- まとめ
魅力1:「歩きやすさ」と「きちんと感」の両立
スニーカーローファーの人気を支える最大の要因は、快適性とデザイン性のバランスではないでしょうか。
一般的な革靴タイプのローファーはフォーマルな印象を与える一方、長時間履くと足が痛くなる、歩きづらいといった声も少なくありません。
もちろん、しっかりとサイズを合わせていたり、高級ブランドであればそういったこともある程度軽減できるのかもしれませんが、やはり革靴特有の疲れというものはあるかと思います。
その点、スニーカータイプのローファーは、スニーカー同様に軽量かつ柔軟性のあるソールが使用されており、クッション性やグリップ力も高く、長時間の歩行に向いています。
加えて、ローファー特有のシンプルで洗練されたアッパーデザインにより、カジュアルなジャケットやスラックスと合わせても違和感がなく、ビジネスシーンでもある程度対応可能である点が強い魅力だと感じています。
前述の通り、昔は、「仕事と言えばスーツ、革靴」といった意見が大多数だったと思いますが、クールビズやウォームビズ、オフィスカジュアルやビジネスカジュアルと言った、ある程度のカジュアル感は許されるようになってきています。
つまり、「歩きやすくてちゃんと見える靴」という、現代のニーズに応えてくれるアイテムなのです。
魅力2:コーディネートの汎用性が高い
スニーカーローファーのもう一つの大きな魅力は、コーディネートの汎用性・スタイリングの幅広さにあると考えています。
たとえば、ビジネスシーンでスラックスやジャケパンと合わせれば上品な印象に。
休日のカジュアルスタイルでも、デニムやチノパン、イージーパンツと合わせてリラックス感の演出も可能。
ソールの形状やアッパーの素材によっても雰囲気が変わるため、自分のスタイルに合わせた“ちょうどいい一足”を見つけやすいのです。
また、その履き口の広さを活かして、春夏は足首を見せて素足風に履いて軽やかに、秋冬はソックスと合わせて季節感を演出することもでき、オールシーズンで使える万能性も魅力的だと言えます。
ファッションのプロやおしゃれ感度の高い層からも、「コーディネートに悩まない便利靴」として注目されています。
魅力3:デザインとしての新しさ
スニーカーローファーは、スニーカーでもなく革靴でもない、いわば"中間靴”という新たなジャンルを築いた存在です。
もちろん、過去にもこういった靴の存在はありました。
例えば、以下購入レビューをしたコンバースのワンスターローファーのオリジナルは1990年代。
現代でも人気の一足ではありますが、今までは一部の人にのみ認識があった存在だと思っています。
しかし昨今ではこのワンスターローファーのみならず、(後述しますが)スニーカーローファーというものがたくさんリリースされてきています。
数年前は街中で見る機会がほぼ無かったこのスニーカーローファー、昨今ではファッション感度が高い人の間で、そのデザインとしての新しさが評価され、人気を誇っています。
魅力4:ミニマル志向・ジェンダーレスデザインとの相性◎
今、ファッション業界全体でキーワードとなっているのが、「ミニマル」と「ジェンダーレス」という二つの潮流です。
特にミニマルに関しては老若男女顕著であり、ユニクロやGUといった、シンプルで気取らないデザインが高く評価されています。
メンズファッションにおいては、無地でシンプルなデザインも多いAURALEE(オーラーリー)やCOMOLI(コモリ)が爆発的人気を誇っています。
ジェンダーレスに関しても同様で、メンズではシースルーやクロシェ等、レディースではオーバーサイズのジャケットであったりパンツスタイルが多く見られるようになってきています。
余計なディテールを削ぎ落とし、素材やフォルムで勝負するミニマルなスタイル。
そして性別に縛られない、誰もが自分らしく選べるジェンダーレスなスタイル。
このどちらにも、スニーカーローファーは非常によく馴染みます。
特に装飾を抑えたプレーンなローファーデザインに、ナチュラルなカラーやマットな質感が加わることで、ファッション全体の引き算バランスを整えてくれます。
また、ミニマルなデザイン故にユニセックス展開が多いのも特徴で、「足元で個性を主張する」よりも「自然体でスタイルを完成させる」タイプの人々から、じわじわと支持を集めています。
魅力5:靴の“所有数”を減らせる合理性
ちょっと視点を変えた内容になりますが、スニーカーローファーは、一足で“何役”もこなせるため、結果的に持ち物を減らしたい人にとって合理的な選択肢となると考えています。
たとえば出張や旅行時、以前であれば「スニーカーと革靴の両方を持っていく必要がある」と考えていたシーンでも、この一足があれば問題なし。
カジュアルにもフォーマルにも対応できるため、靴の数が自然と減っていきます。
また、ミニマリスト志向の高まりとともに「本当に使えるものを厳選して持つ」という価値観が浸透しつつありますが、スニーカーローファーはまさにそのニーズにフィット。
“少ない数で最大限活躍する”という意味で、コストパフォーマンスも非常に高く、現代の賢い選び方を体現しているアイテムとも言えるでしょう。
スニーカーローファーを選ぶ際のポイント
これからスニーカーローファーを選ぶなら、以下のポイントを意識しておくと良いかと思います。
素材
アッパーには本革や上質なフェイクレザーを使用しているものを選ぶと、全体の印象がぐっと引き締まります。
また、スムーズレザーであればよりドレッシーに、スウェードであれば若干カジュアルになる点も押さえておくとよいかと思います。
色味
当然ながら、黒やダークブラウンといった落ち着いた色味は、ビジネスにもカジュアルにも対応しやすく万能です。
一方で、ホワイト・ベージュ系に関しても、革靴だと見た目・ケアの両面でハードルが高い印象ですが、スニーカーローファーであれば選びやすいです。
あえてこういった淡い色を選ぶのもおすすめです。
ソールの厚さ・形状
スニーカーらしさが強すぎるデザインより、ローファーの端正な印象を保っているタイプの方が、より汎用性が高い傾向にあります。
一般的にソールは薄いので、次項のフィット感と合わせて中敷きも検討の余地ありです。
フィット感
見た目以上に重要なのが履き心地。
以下記事で書いたように、あくまでVANS比較でいえば、スリッポンよりスニーカーローファーの方がゆとりがありました。
きついのも苦しいですが、一方で踵が抜けるというのは履き心地も見た目としても最悪なので、しっかりとフィットするサイズを選ぶか中敷きで調整が必要だと思います。
おすすめスニーカーローファー
個人的におすすめなスニーカーローファーを以下ピックアップしていきます。
Vans / V196CF

参考定価:11,000円(税込)
シンプルながらまさに王道のスニーカーローファー。
デザイン良し・値段良しでこれはとにかくおすすめ。
私は以下記事の通り2色買いしました。
【VANS】 ヴァンズ LOAFER ローファー V196CF CN
- 価格: 11000 円
- 楽天で詳細を見る
【VANS】 ヴァンズ LOAFER ローファー V196CF
- 価格: 6589 円
- 楽天で詳細を見る
Vans / Skate Loafer

参考定価:11,000円(税込)
スケートボーディングに必要な機能が搭載された、ローファースタイルのモデル。
シボ感のあるレザーはさながら革靴の様相ながら、ストリートのテイストもしっかりと感じる、両者の良いとこ取りの一足です。
ツートンカラーが最高にイケてます。
CONVERSE / CS BITLOAFER SK

参考定価:17,050円(税込)
いわゆるビットローファー。
甲の部分にはゴールドのビットがドレッシーな印象ですが、SKと名の付く通りスケートらしい要素もあるのが魅力。
CONVERSE / ALL STAR COUPE GB LOAFER

参考定価:19,800円(税込)
またしてもコンバース。
オールスタークップのローファーモデル。
こちらはタッセル付きかつスムースレザーで革靴テイスト強め。
これがアンダー2万円はコスパ◎
CONVERSE / One Star Loafer

参考定価:28,600円(税込)
またしてもまたしてもコンバース。
とはいえ自身がこれを買っている以上、お勧めしないわけにはいきません。
ミニマルな仕様に、シンプルながら存在感を放つ一つ星。
他と比べ定価は高めですが、コンバースアディクトなので履き心地・耐久性は比較的良く、言うことなしの完成されたデザインです。
[rakuten:auc-esmile:10005677:detail]
MOONSTAR / LOAFY

参考定価:11,000円(税込)
久留米が誇るムーンスター。
キャンバス仕様のローファーで、こちらはどちらかといえばカジュアルな印象。
それでもパイピングのモカシン、バルカナイズドソールと魅力は満載です。
ミニマルなデザインで合わせるパンツには困らないでしょう。
[rakuten:u-oak:10033228:detail]
[rakuten:kodawarigurashi:10000771:detail]
New Balance / 1906L

参考定価:19,800円(税込)(一部22,000円)
ニューバランスの大人気モデル1906L。
2024年から何度か色・素材を変えてリリースされているもの、毎度どの店舗も即完売or人気ゆえの抽選で入手難となっています。
NBらしくハイテクなデザインが新鮮で、もちろん履き心地は言うことなし。
個人的にこの写真のシルバー推しです。
※以下レビュー記事。
[rakuten:palm-nut:10014334:detail]
[rakuten:kicksparrow:10054438:detail]
B:MING by BEAMS / Leather Coin Loafer

参考定価:12,100円(税込)
こちらは、スニーカーローファーというよりはしっかりとしたローファーにカテゴライズされるものかと思います。
しかしながら、そのソールを含む全体のカジュアルな様相はスニーカーライクでもあり、革靴ほどの堅苦しさは感じません。
「ビームスの100名品」に選ばれながら、1万円ちょっとで買えるのは非常に魅力的。
[rakuten:bminglifestore:10020456:detail]
NIKE / W AIR MAX PHENOMENA SWDC

参考定価:20,130円(税込)
2025年、空前のスニーカーローファーブームの元、ナイキからリリースされたのがAIR MAX PHENOMENA SWDC(エアマックス フェノメナ)。
ローファーのような上品なアッパーデザインに、90年代後半の名作「AIR MAX SNDR」由来のボリュームあるソールユニットを組み合わせたハイブリッドモデルです。
アッパーは高級感のあるブラックのタンブルレザーをベースに、夜間視認性を高めるリフレクティブ素材を随所に配置。
厚みのあるミッドソールにはAirクッショニングが搭載され、歩行時に優れた快適性を提供します。
ローファーライクな洗練されたスタイルと、スニーカーの機能性を融合させた一足として注目されており、ストリートからモードまで幅広いスタイリングに対応可能です。
[rakuten:opinion-cosme:10006447:detail]
HOKA Speed Loafer

参考定価:20,130円(税込)
ドレスシューズの意匠とHOKA(ホカ)らしいパフォーマンス設計を融合させた異色のハイブリッドモデル、SPEED LOAFER(スピードローファー)。
アッパーには上質なレザーとスエードを採用し、ローファーの伝統的なスタイルをベースにしながら、タッセルを模した調整式ドローストリング「スピードタッセル」を搭載することで、着脱のしやすさとフィット感の調整を可能にしています。
ミッドソールにはトレイルシューズ「Speedgoat 5」の構造が流用されており、クッション性と反発性に優れ、歩行時の安定性も確保されています。
従来のローファーが持つクラシックな雰囲気を残しつつ、厚みのあるソールでモダンかつストリートライクな印象を打ち出す一足として位置づけられています。
発売と同時に即完売したモデルで、二次流通価格もすごいことに、、、
[rakuten:palm-nut:10015050:detail]
[rakuten:opinion-cosme:10006672:detail]
まとめ
スニーカータイプのローファーは、間違いなく流行りを見せていますが、単なるトレンドに留まらず、「日常生活に溶け込む新たな定番靴」としての地位を築きつつあります。
その理由は、現代のライフスタイルやファッションに求められる価値である「快適さ、柔軟性、上品さ、適応力、そしてコストパフォーマンス」を兼ね備えているからです。
革靴のように“堅すぎず”、スニーカーのように“ラフすぎない”、その中間にある絶妙なバランスこそが、スニーカーローファーの最大の魅力です。
これからの時代、こうした「境界をまたぐアイテム」がますます重宝されると思います。
そしてこのスニーカーローファー、やはりその安さというのも一つの魅力ではないでしょうか。
高価な革のローファーで失敗するよりも、まずはこういった敷居の低いスニーカータイプで試すのが良いかと思います。
まだ履いたことがないという方も、ぜひ一度その快適さと汎用性を体感してみてください。



