ここ数年、私自身無地Tシャツにさすがに飽きが出てきて、シャツやプリントTシャツの出番が増えてきました。
プリントTシャツといえば、無地Tシャツに比べハードルが高いアイテムだと思っていて、一歩間違えば「ダサいファッションまっしぐら」といった難しいジャンルとも言えます。
それでも昨今では、ヴィンテージTシャツブームもあり、バンドTやムービーTを着ている人も以前よりは増えてきた印象です。
そんな中、今年私が見つけたとあるTシャツがそのデザインやバックグラウンドも含め非常に素敵だったのでご紹介します。
アイテムはタイトルにある通り、BLACKBIRDのSHORT SLEEVE CUTSEWN CHAPO 01です。
BLACKBIRD
まずは簡単なブランド紹介から。
BLACKBIRD(ブラックバード)は国内ブランドで、L'ECHOPPE(レショップ)といった大手セレクトショップでも取り扱いのある、知る人ぞ知るブランドです。
押さえておきたいのが、このブランドの思想背景。
セレクトショップ「WHITE ALBUM.」のオーナー・赤羽氏が中心となり、トップメゾンで活躍した生産チーム、熟練職人、パタンナーらが共同創造する、日本屈指のクリエイター集団によるブランドです。
文化史や服飾史への奥深い着眼、幾度もの試作を経て妥協なきプロダクトだけを送り出す姿勢が「非の打ちどころないプロダクト」を生み出す原動力となっています。
その真価をこのカットソーでも如実に感じることができます。

CHAPO - 家具職人ピエール・シャポー
本アイテム最大の特長は、20世紀を代表する家具デザイナー兼木工職人であるPierre Chapo(ピエール・シャポー)とのコラボレーションにあります。
シャポーは、「素材そのものと向き合う」姿勢で名作家具を生み、「人の手仕事の痕跡こそ美学」とする思想を貫いた巨匠です。
その孫であるZoran Chapoの協力もあり、彼のドローイングやポートレート、代表作「バールのモチーフ」を赤いフロッキープリントでカットソーに落とし込みました。
結果として、ただのTシャツではなく、職人技と美意識が入り混じった「歩くギャラリー」のような一枚が誕生しました。
デザインレビュー
言ってしまえばただのプリントTなので、「直感で良いと思えるか否か」でしかなく、正直に言えばことこまかにレビューするところはありません。



こうして改めて見ても、赤のフロッキーがかなり効いているデザインだと思います。
前述の通り、これはシャポーのドローイングや家具モチーフをフロッキープリントで再現したもの。
控えめなサイズで表現されたこのデザインは、見る者に訴えかけるアート性を帯びており、着用するたびに気分が上がります。
もちろん、このアクセントが無くても秀逸なプリントだとは思いますが、ある意味でありがちというか、無難なモノに仕上がっていたと思われます。
しかしながら、このワンポイントは色のアクセントとして一役買っていることはもちろん、それが異素材のフロッキーであることも、このTシャツの素晴らしい点であると言えるでしょう。
普通なようで普通でない、こういった「若干の違和感」を感じる服は当然ながら稀であり、数多あるプリントTから一つ抜けた逸品になっているのではないでしょうか。
機械的でクールなプリントとは異なり、人の手を感じさせるエッセンスが服に添えられているこのアイテムは、シャポー理念とBLACKBIRDブランド哲学の融合を感じます。
モデルスペックと素材感
商品ディテールを整理します。
- 素材:コットン100%
- カラー:ホワイト/ブラック(いずれも赤フロッキー)
- サイズ展開:0/1/2
私は170cmでサイズ1を選択していますが、大きすぎず、ほどよいゆとりでちょうどよいと感じています。
ハンドプリントを思わせるフロッキーの温かみも光ります。
価格
定価は16,280円(税込)であり、Tシャツとしては安い価格帯ではありません。
しかし、以下の価値を考えれば納得の価格帯です。
- シャポーという巨匠とのコラボレーション
- 手の込んだフロッキープリント=アート作品性
- BLACKBIRDの思想・技術力・試作力
- あらゆる季節・スタイルに合わせやすい汎用性
特に「汎用性」については、1枚ではもちろんのこと、インナーでも物凄く使えるデザインです。
無地のシャツorジャケットに無地Tだとどうしても味気なくなりますが、こういったプリントTだと全く違った印象になりますね。

他モデルのご紹介
こちらの商品は"CHAPO 01"と数字の名の付く通り、実は"CHAPO 02"も存在します。
それがこちら。


こちらもフロントプリントが秀逸ながら、注目はバックプリント。
言わずもがな、素晴らしいデザインです。
定価は01よりちょっと高めの17,380円ですが、両面プリントなので納得のお値段。
私はフロントプリントで01を選びましたが、この02も捨てがたいですね。
まとめ
BLACKBIRDの"SHORT SLEEVE CUTSEWN CHAPO 01"についてレビューしました。
これからのTシャツが主役になる季節、やはり無地Tが安定かとは思いますが、ちょっと食傷気味の方にはこういったプリントTがおすすめです。
またプリントTは自身の好みやセンスが問われるアイテムでもありますが、こういったアートの側面が高いデザインも視野に入れるのも選択肢が広がるので良いのかもしれません。
単なるTシャツに留まらず、そのデザインのバックグラウンドを知ると、着用時の気持ちの高揚感もまた変わってきます。
※そういった意味ではやっぱりバンドTやムービーTも良さそうです。
今後もBLACKBIRDのアイテムに注目していきたいと思います。



