「紳士服のDickies」と銘打たれ、ストリートからフォーマルまで幅広いシーンで支持されてきたDickies × Tripsterのコラボスーツ。
以下記事の通り、2018年の初登場以来、素材・シルエット・時代性を巧みに更新しながら継続してリリースされてきました。
前作は今年3月に発売され、以下記事でレビューしたポリエステルモデルです。
そして今回レビューするのは第8弾となる「ツイードモデル」です。
第6弾、第7弾と、ポリエステル素材を使った軽量路線から一転、秋冬にピッタリなクラシックかつ季節感の強い「ツイード」を採用。
本記事では、実際に購入・着用した視点から、デザイン・素材感・サイズ感・着心地を徹底レビューしていきます。
Dickies × Tripster 第8弾ツイードスーツの特徴
まずは第8弾モデルの特徴から。
素材の変更
最大の特徴は、やはりツイード素材の採用です。
過去、ツイードモデルは2019年に発売された第2弾のみで、それ以来実に6年ぶりのリリースとなりました。
ツイードと聞くと、
- 重い
- チクチクする
- トラッド・カントリー寄り
といった負のイメージを持つ方も多いかと思いますが、本作ではそれらのデメリットを感じさせないバランスで設計されています。
具体的には、
- 厚すぎない中肉クラスのツイード
- ゴワつきの少ない、比較的フラットな織り
- ワークスーツとして成立する耐久性
を備えており、「ツイード=扱いにくい」という先入観を良い意味で裏切ってくれます。
スーツでありながら、どこかジャケット+ワークパンツの延長線にあるような感覚。
この「ただのスーツで収まらない」ところが、Tripsterらしさだと言えるでしょう。
シルエットは維持
シルエット自体は、ジャケット/パンツ共に第7弾を踏襲しています。
ジャケットは
- シングル仕様で隠しボタンを含む3ボタン構成
- 着丈短めのボックスシルエット
パンツは
- ややワイドで弱めのテーパード
- タック入り
といった仕様。
私個人としても第7弾のシルエットは上下ともに使いやすかったので、この仕様は嬉しい限り。
「同じシルエットはつまらない」と感じるかと思ったのですが、やはり素材が全く異なることで、前作とはしっかりと使い分けられる一着になっていました。
外観レビュー
外観のレビューに移ります。


前述の通りデザインに変更は無いので、見慣れたシルエットではあります。
正面から見ると、いつものコラボ通り、非常にシンプルなシングルジャケットといった印象。
素材感も相まって、一見するとトラッド寄りにも見えますが、着丈短めかつウエストのシェイプも無いので、いわゆるテーラードジャケットの“カチッと感”はありません。
背面にはベント無し。
袖は切羽無しでボタンも無し。
この潔さが、スーツでありながら“構えなくていい服”として成立させており、ドレスのテイストよりもワークの印象を強めています。
したがって、テーラードxツイードといったクラシックな組み合わせでも普段のカジュアルは服装にすんなり馴染むようになっています。

第7弾と大きく違いを感じる点は個人的に裏地です。
ツイードなので当たり前ですが、キュプラの裏地がついています。
これにより着脱がスムーズになるのはもちろん、着ていてストレスも感じないですし、やはり裏地があると形がしっかりと保たれます。
冒頭で述べたようにツイードとはいっても「硬い・重い」といった印象は無いので、見た目以上に軽い着心地を実現しています。

生地をアップにしてみます。
引きでは分かりにくいですが、ヘリンボーンになっていますね。
それこそハリスツイードに代表されるような分かりやすいヘリンボーンではないのですが、個人的にはこのくらいの柄が使いやすくて好きです。
ほぼ無地でインナーを選ばない柄なので、使い勝手に困りません。


パンツも前回と変わらずのデザイン・シルエットです。
このコラボは初期から注目し、一部のモデルを所有していますが、やはり初期の頃はディッキーズ色というかワークテイストが今より強く、パンツもワイドxテーパードの印象が強くありました。
しかし前回から、テーパード具合を弱めることで、万人が着用しやすいシルエットになったように感じます。
着用してみても、昨今良く見かけるようなバギーシルエットとはまた違い、やや太めの飽きの来ないシルエット。
どんなトップス・靴にも合わせられそうな丁度良い太さです。

加えて、前回からの仕様となったこのワンタックもやはり個人的には好きなポイントです。
特に今回のツイード素材とタックは相性抜群で、クラシック感満載。
古着ではよくこの組み合わせを見かけますが、この手のパンツは極端にワイド・極端にテーパードといった類が多いです。
しかしこのアイテムに関しては言えば、前述の通り現代的なシルエット。
合わせるアイテム次第でクラシックにもカジュアルにも振れる優秀な一着だと言えるでしょう。
第7弾ポリエステルモデルとの比較(素材以外)
本アイテムは前作との違いは素材のみですが、実際のユーザ側からすると使い勝手は大きく異なると感じています。
ポリエステルモデルの良い点・悪い点
ポリエステルモデルは春から秋にかけて幅広い時期に着ることができますし、それでいてケアも楽なので、ある程度汚れを気にせずに済みます。
ジャケット、パンツ共にラフに使うのにピッタリだと言えるでしょう。
一方で、ポリエステルとはいえやはりシワは多少は気になりますし、生地のくたびれ感も一般的なスーツよりは感じやすいです。
また、軽量故にウールスーツのようなすとんと落ちる綺麗なシルエットという印象にならない点も注意が必要です。
ツイードモデルの良い点・悪い点
一方で、ツイードモデルはカジュアルなデザインとは言え、ポリエステルモデルよりは断然スーツに近く、高級感というか見栄えは良いです。
個人的にはポリエステルモデルには高級な革靴はあんまり合わなかった印象ですが、このツイートモデルはその重厚感・クラシックさもあり、革靴との相性は抜群。
もちろん、スニーカーで外すのもこれまた高相性。
個人的に、スニーカーローファーとの合わせが好きでした。
ポリエステルモデルの場合、ラフにしすぎると締まりが無い印象になってしまいますが、ツイードモデルはその重厚感故、ある程度ラフにしても良い塩梅のカジュアルダウンに繋がります。
しかし、やはり着られるシーズンはほぼほぼ秋冬のみというのが玉に瑕。
生地感的には春も着られますが、春にツイードというのはやや重い印象となってしまいます。
また、シワ・汚れ等にも気を遣わねばなりませんし、「ちょっと汚れたから洗う」といったことは難しいでしょう。
実際に着てみた|サイズ感と着心地
サイズ感
サイズ選びは、シルエットが変わらない以上、基本的に過去作と同じで問題ありません。
170cm・標準体型でSサイズ着用の場合、
- ジャケット:ジャストでやや着丈短めな印象
- パンツ:腰回り〜渡りにやや余裕あり
前回同様、やはり着丈の短さは感じるものの、結局この着丈が使いやすかったので同じサイズを選びました。
ツイードという素材上、袖が長いと特にカッコ悪いので。
着心地
正直な感想としては、「思ったより全然ラク」という印象です。
前回のポリエステルモデルは軽さが魅力的だったので、こちらのツイードモデルではやや着心地の悪さを感じるかと思いましたが、杞憂でした。
やはり柔らかいツイードの素材感とキュプラの裏地、そして全体的にややゆとりのあるシルエットなので、着心地は申し分ありません。
長時間着用してもストレスは少なめです。
定価とカラー展開
第8弾 ツイードモデルは、ジャケット+パンツのセットアップで定価39,380円(税込)です。
前回のポリエステルモデルが33,000円だったのでやや割高感はありますが、そこは素材の違いだと思えば納得はできるでしょう。
むしろこの物価高ご時世で、税込みでも4万円を切っているのは悪くない価格帯だと思います。
カラーは、
- ブラック
- グレー
- ブラウン
の3色で、ツイードらしい落ち着いた展開となりました。
私個人としては、前回ブラウンを買ったのでグレー一択でしたが、やっぱりブラウンというカラーが好きなのでブラウンも良かったなと思います。
でもこのグレーのカラー、使いやすくて大変気に入りました。
過去作は大体ブラックに人気が集中しますが、今作はグレーが人気だったようですね。
まとめ
Dickies × Tripster 第8弾のスーツは、前回の「実用性最優先」のポリエステルモデルとは打って変わって、ツイード素材での販売となりました。
両方買ってみて感じるのは、ポリエステルモデルにもツイードモデルにもそれぞれ違った魅力があるということです。
ラフに長く着られるポリエステルモデル、ある程度気は遣うものの見た目の美しさがあるツイードモデル。
シルエット自体は変更がありませんでしたが、素材が大幅に変わることで、全く印象が違った一着となりました。
次はどういった素材で来るでしょうか。
来年の秋冬にウールで来るのか、あるいはまさかのツイード2連続なのか、はたまた全く違った素材で来るのか、今からその時が楽しみです。



