ワークウェアの枠を超え、ストリートからフォーマルまで幅広いシーンで愛されているDickies(ディッキーズ) × Tripster(トリップスター)のコラボスーツ。
2018年の初登場以来、そのシンプルかつ機能的なデザインは多くのファッション好きに支持されてきました。
そして2025年、2024年モデルと同じく、ポリエステル素材のセットアップが登場。
コットン・ポリ混紡ではなく100%ポリエステル素材を採用することで、シワになりにくく、軽量で快適な着心地が期待できます。
また、2025年モデルでは、ジャケットの丈がやや短くなり、よりモダンで洗練された印象に。
パンツも緩めのテーパードシルエットに変更され、全体的にすっきりとしたラインが特徴です。
これにより、カジュアルにもフォーマルにも着こなしやすく、より現代的なデザインとなりました。
今回は、そんな最新モデルを実際に購入・着用し、デザイン・サイズ感・機能性を徹底レビューしていきます。
Dickies × Tripster ポリエステルスーツの特徴
100%ポリエステルでシワ知らず
最大の特徴は、やはり何といってもポリエステル100%素材の採用です。
これにより、
- 着用時のシワがつきにくい
- 軽く、長時間着ても疲れにくい
- 速乾性があり、汗をかいても快適
というメリットを実現。
スーツといいえば堅苦しさ・着にくさがある洋服ではありますが、そのデメリットはあまり感じません。
ミニマルで汎用性の高いデザイン
多少のマイナーチェンジが入ったとはいえ、シルエットはこれまでのTripsterスーツと同様、程よくゆとりのあるボックスシルエットです。
ジャケットはシングルで3ボタン仕様(隠しボタン)、パンツは緩めのワイドテーパードで、カジュアルにもフォーマルにも着こなせます。
イージーケアで毎日着られる
ポリエステル素材のおかげで、
- 自宅で洗濯可能
- アイロンいらず
- 速乾性が高く、すぐに乾く
と、メンテナンスが圧倒的に楽になっています。
一般的なスーツと比較すると、ケアの面ではかなり優位にあると言えるでしょう。
外観レビュー
デザインのレビューに移ります。
まずジャケット。


外観はシンプルな2Bのシングルジャケットといったところでしょうか。
一方、背面に関してはベントは入らない仕様なので、この点はカジュアルな印象となります。
続いて内側。

裏地はありません。
また、内ポケットは両側についているので、利便性という意味では◎

袖に関しては切羽の仕様ではなく、もちろんボタンも付いていないので、この点もやっぱりカジュアル。
総じて、見た目はテーラードっぽさもありながら、カジュアルな要素も多く、どこかディッキーズらしいワークテイストを感じます。

ボタンには「Dickies」と創業年「1922」の刻印が入ります。
もちろん全く目立つものではありませんが、良いディティールです。

本ジャケットは3つボタン仕様なのでボタンを3つ全部留めた着こなしももちろんできます。
※全部留める着こなし自体の是非は各人色々とあるかと思いますが、、、

更には首元のボタンも留めることができ、こうするとテーラード感はかなり薄れ、スタンドカラーのワークジャケットの様相が強くなりますね。
個人的にこの着こなしは好きですし、あるいは上2つを留めてAラインぽく着るのも結構良さそうです。

ちなみにジャケットは上記写真のようにシェイプが無く、今作が着丈短めということもあり、ややボクシーなシルエット。
テーラードのドレッシーな雰囲気を和らげてくれるので、カジュアルな着こなしには一役買うシルエットだと思います。
ある程度中に着込んでも着ぶくれしないのもメリットでしょう。
続いてパンツに移ります。

パンツはワイドテーパード。
過去作も所有していますが、今作はテーパードがやや緩和されたことで、よりどんなスタイルにでも合わせやすいシルエットになったと言えるかと思います。

更に今季はタック入りに仕様変更。
現代のタックパンツと言えば、ツータックが多い印象ですがこちらはワンタック。
一般的に、ビジネススーツでタック入りだとやや古臭い印象があるかと思いますが、パンツ自体がカジュアルなデザイン・シルエットなので、そういったネガティブな印象とはならず、あくまで「オシャレなタック」に見えます。
ジャケット・パンツ共に、カジュアル・ドレス共に単体使いできることもこのセットアップスーツの魅力の一つだと言えるでしょう。
ウールモデルとの比較|どちらを選ぶべきか?
一般的にスーツと言えばウールですし、このトリップスターのセットアップも当初はウールでリリースされていました。
ということで本項ではウール・ポリエステルの比較を行います。
ウールモデルとポリエステルモデルの比較
| ウールモデル | ポリエステルモデル | |
|---|---|---|
| 素材 | ウール100% | ポリエステル100% |
| シワ |
長時間の着用で シワができやすい |
非常にシワになりにくい |
| 重量感 |
やや重めで しっかりした生地感 |
軽量で動きやすい |
| 速乾性 | 蒸れにくいが、 乾きは遅い |
速乾性が高く、 汗をかいても快適 |
| メンテナンス | クリーニング推奨 | 自宅で洗濯可能 |
| シルエット |
落ち感があり、 上品な雰囲気 |
ハリ感があり、 カジュアルな印象 |
どっちがおすすめ?
上記を踏まえ、個人的にどちらがどういった用途・人にお勧めかというと、以下の通りになるかと思います。
- フォーマル寄りの雰囲気を求めるならウールモデル
- カジュアル・ストリート使いならポリエステルモデル
- 洗濯のしやすさやシワのつきにくさを重視するならポリエステルモデル
総じて、よりカジュアルに・よりラフに着たいのであればポリエステル、ケアには気を遣うものの、高級感を感じる見た目が好みであればウールになるかと思います。
また、ポリエステルはアイロンを当てるとやや光沢が出やすく、チープ感がより増してしまう可能性も考慮する必要があるでしょう。
実際に着てみた!サイズ感&着心地レビュー
サイズ感
これまでのTripsterスーツと同じく、ジャケットは程よいリラックスフィット。
パンツも一般的なスーツと比べるともちろん若干ワイドシルエットにはなりますが、ポリエステル素材の落ち感があるため、野暮ったさは感じません。
私は170cmでSサイズを選択しましたが、ジャケット・パンツ共にジャストサイズといった印象。
昨今ありがちなビッグシルエットではないので、標準体型の方であれば、普段のサイズで問題無いかと思います。
ただ、今季のモデルは思った以上に着丈の短さを感じたので、着丈長めに着たい人であればワンサイズアップ推奨です。
袖丈は長くなるでしょうが、前述の通り切羽が無い仕様なので、捲ってしまえばこなれ感も出て良い雰囲気になるのではないでしょうか。
着心地&快適性
実際に着用して感じたのは、「驚くほど軽い着心地」。
ポリエステル素材特有のハリ感がありながら、窮屈さは一切なく、長時間の着用でもストレスを感じません。
また、屋外・屋内での温度変化にも強く、蒸れにくいのもポイント。
特に春夏シーズンには最適な一着といえるでしょう。
定価とカラー展開
2025年3月22日に発売されたDickies × Tripster ポリエステルスーツの定価は、ジャケットとパンツのセットアップで33,000円(税込)です。
また、今回のモデルは、以下の3色展開です。
- ダークブラウン(落ち着いた色合いで、さまざまなシーンに対応)
- チャコールグレー(シックで洗練された印象を与えるカラー)
- ブラック(定番でありながら、スタイリッシュな印象を持つ万能カラー)
2024年はブラック、ホワイト、ブルーと言った攻めたカラー展開でしたが、それから一転して今季は落ち着いた展開となりました。
結果として、どのカラーを選んでも外れはないバランスの良いカラー展開になったと思います。
まとめ
2025年に登場したDickies × Tripster ポリエステルスーツは、シワになりにくく、軽量で快適な着心地を実現した進化系ワークスーツであると感じました。
例年に比べ着丈を短くしたり、テーパードを緩くしたりするなど、よりシルエットに癖が無くなり、普段使いがしやすくなった印象です。
過去にリリースされたウールモデルと比較すると、一長一短ではあるものの、よりカジュアルで扱いやすく、ケアも簡単なので日常使いには適していると感じました。
もちろん、ウールモデルの上品な風合いも捨てがたいので、用途に応じて選ぶのがベストでしょう。
即完売してしまった人気アイテムですが、気になる方は二次流通で狙ってみてはいかがでしょうか。
また来年のリリースにも期待ですね。



